2024.01.22

景観デザイン特別講義を実施しました

建築学科3年生の講義である「景観デザイン」にて、京都大学教授 田路貴浩先生を招き、以下の通り特別講義を開催しました。
日時:2024年1月19日(金)15:00~16:30
場所:G402講義室

景観デザインは、建築設計や都市計画の観点から、都市や農村における景観がどのようにして出来上がり、どのような価値をもち、どのように人の手で守られたり、あるいは変化していくのかを学ぶ講義です。

田路貴浩先生には、「増田友也の風景論 風景の自然/自然な場所」と題し、建築の設計を通して「建築のある風景」はどのように可能か、そもそも私達にとって「風景」とは何なのかなどを講義いただきました。
増田友也とは、1950年代~70年代に京都大学で教鞭をとりながら、公共建築を中心に多数の建築作品を手掛けた建築家です。コンクリート打放しのモダニズム建築をつくり続けた一方で、設計を通し独自の建築思想を紡ぎ出されました。

一見尻込みしそうな難解なテーマでありながらも、先生のリズム良い平易な言葉のおかげもあってか、学生と先生との間でも盛んにやり取りが交わされました。
建築によって風景が生まれるときに目指されるのが「自然」であるならば、その建築には曲線が用いられていたほうが自然に近づくのではないか?という鋭い質問が学生からでると、
「自然」とは山や川などの自然物そのものではなく、「自(おのずか)ら然(しか)る」というあるがままの状態を指しているから、正方形や直線を用いた素朴で端正なかたちにあるがままの建築の姿があらわれているのだと説明されていました。
学生の質問をきっかけに、講義の内容が一層深まっていく臨場感ある講義風景が印象的でした。

 

 

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