2025.09.03

2年生「空間デザイン演習」2025

空間デザイン演習は、建築空間を自ら構想する前段階に行われる本演習です。
身近で初歩的な4つの創作課題を通じて建築設計のもっとも基本的で根源的な目的である「居心地のいい空間」を構想し表現できるようになるために必要なディスカッション、プレゼンテーションシート、模型作りや敷地の捉え方などの方法の修得します。また発表や討議の場において自らの意見を能動的に表現、発信する姿勢を身につけることも目的としています。

各課題の最優秀作品を紹介いたします。

課題1「第一課題 “自分なりを探す”」
建築家(空間デザイン論にて説明)として仕事をするには、まずは誰から仕事を頼まれなければなりません。仕事を頼まれるには「この人だからこそできる空間デザイン」を発注者から期待される必要があります。つまり、「自分なり」の得意を「他者」にアピールする必要があります。
では「自分なり」とは何でしょうか。「三つ子の魂百まで」という諺はご存知だと思います。幼い頃の性格は歳をとっても変わらないという意味です。「自分なり」とはこの三つ子の魂のことではないかと思います。この三つ子の魂に対して自覚的になり、認めることができ、好きになることが、「自分なり」に作るということにつながっていきます。
そこで、今回の授業では皆さん好きな「もの」や「こと」を持ち寄って、それを好む心理に潜む三つ子の魂を垣間見るということをやってみたいと思います。その三つ子の魂は、必ず今後の作品制作の手がかりになるはずです。

眼光景背に徹す:濵名琴音

雪庇:中村優衣

つながり:齋藤晏子

表裏一体:宮本匠

界溶:今村蒼

第二課題「自らにとっての“光の空間”をプレゼンせよ!」
第一課題では、今までの経験を通して、自分の「好きに対する感覚」に気づいてもらうとともに、「自分が好きな場所」の伝え方(ドローイング+言葉)について挑戦してもらいました。それは、空間のスケール、光や風の状態、空の明るさ、動植物の音、構築物の美しさ、太陽の向き、、など人によって様々な「空間の状態」に対する切り口があったと思います。第二課題からは、空想(頭のなかのイメージ)を具現化してもらいます。自分の欲しい空間とは何か。その「空間の状態」を具体的に掘り下げてみて、図面というコミュニケーションツールによって表現してください。

自変のレストラン:土門大修

第三課題 説明「自らにとって居心地のいい場所を設計せよ!」
第三課題では、形・イメージ・図面・言葉をスムーズに往復して思考できるように、谷崎潤一郎の『陰影礼賛』を読んで、光と影の空間を創造してもらいます。それは、教会の礼拝堂のような祈る場所かもしれませんし、宗教という枠組みを超えて心をリフレッシュ場所かもしれません。『陰影礼賛』を読んで皆さんが思い描く『光と影の空間彫刻』を、図面・パース・模型にて表現してください。
併せて、戦後を代表する住宅作家として吉村順三と篠原一男の著作の抜粋についても触れてもらいます。ここでは、建築家として生きるエッセンスとなる、デザインをすることの意義、スケールやプロポーションについての重要性が記されており、『光と影の空間彫刻』にどのような寸法・プロポーション・素材を与えればよいかについても想像してみてください。

原子的なものの発散:中村優衣

学生の活動2025

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