2020.01.16

仲俊治氏講演会 実施報告

仲 俊治 氏の講演会を以下の日程で開催されました。

日時 2020年1月10日(水) 開演16時30分
会場 北海道科学大学G棟G204教室

「脱住宅/2つの循環」と題してお話し頂きました。

建築は発明です。という話から講演がスタートしました。
電話の発明を例に、内発的な想い・行動の重要性が語られたました。遠くにいる友人と話したいという内発的な想いから電話の発明が生まれ、その後の社会を変革しました。
一方で産業革命を背景に発明された居住専用住宅(生産活動をしない住宅)ばかりの都市が現代の家族やライフスタイルと乖離していることを指摘、かねてより研究してきた地域社会圏という考え方(Socialな循環とEcologicalな循環を重ねながら集まって住む地域社会のあり方)を基盤に建築の実践(発明)を紹介いただきました。

食堂付きアパートでは、小さな経済をコンセプトに地域の人たちが集い内発的な想いから小商いを行ったり、スペースのタイムシェアリングをしたり、住むことと働くことを問い直しています。(Socialな循環)
白馬の別荘では、パッシブエネルギーを用いた換気や季節によって環境との付き合い方を蚊帳や断熱カーテンで自ら調整する半屋外空間を提案しています。(Ecologicalな循環)
自邸兼スタジオである五本木の集合住宅ではこの2つの循環が重ねられており、地域社会圏という考え方を建築として、また自らの生活として実践しています。

ご紹介頂いた建築作品は、内発的な想い・行動を中心に据えることで建築的課題として社会・経済・環境という文脈に接続していると感じました。
学生のみならず手稲区民の方々、建築家の先生方も多数ご来場頂き貴重な講演会となりました。これからの建築家の活動の可能性を示す素晴らしい講演、仲さんありがとうございました。

2020.1.15
北海道科学大学工学部建築学科
准教授 岩澤浩一

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